はじめの一歩 Round 1163 『変貌』

はじめの一歩 Round 1163 『変貌』のネタバレ

前回の続き。一か月の身体に重りをつけてのトレーニングを終え、その反動で月面を歩いている心持になる一歩。早速の線引きテストはクリアしたものの、今度はロープをまっ直ぐ歩けるかどうかのテストとなる。

今回も天丼ネタを引き摺る一歩、大きく深呼吸して、重りをつけているつもりで慎重に足を進める。踏ん張りながら一歩ずつ。誰もが無言で見守る中、一歩はそれをやり遂げるのであった。それは千鳥ることもなく、誰もが合格と認めざるを得ない。
>この子の小心癖はいつ治るんですかね。

鴨川会長は、実際に確かめるために、ミットをつけリングにいざなう。誰もが重りを外した一歩の拳に期待する。当の一歩は久しぶりのミット打ちに喜ぶも、それ以上に身体の浮遊感に慣れ切らない感じではあった。重りをつけているように踏ん張りながら足を進めていく。

次々にいつものように指示を出し、一歩の拳を受ける会長。しかし周囲の目には以前とさほど変わっていないように映る。もっと爆発的なものを期待していたので、かなり残念な気持ちに襲われるのであった。

そこで鴨川会長は予告なしの攻撃。壊れているとすれば、防御に出る。距離感と反射が著しく失われるからだ。突然の攻撃に驚き大きく体を逸らす一歩。続いての攻撃には体を下にくぐらせ、よろめいたように見えた。そのよろめきに会長はパンチドランカーを確信しつつあった。

し か し 一 歩 の 真 価 は 
そ こ か ら 現 れ た。

斃れかけた体を軸足一本で立て直し、軸足をコマのように回転させての左アッパーを振りぬいたのであった。

一歩が片足だけで放った拳に周囲が息をのむ。会長も意外な攻撃に驚きを隠せない。
しかしこれでは判断しかねると、振りの大きさの隙に付け込む攻撃、この攻撃も大きく回避する一歩。
そしてそこからさらなる進化を見せる一歩。
軸足を逆にして、無理な体勢から打とうとする。完全にサウスポーの打ち方だ。そんな練習をしていたかどうか訝しむ板垣は、ボーリングの練習にその原型を見る。

一歩の気持ちは一つ、ボクシングをやめたくなければ的を見て打ち続けるんだ、ボクシングをやめたくない、である。その気持ちの下、軸足を逆にした攻撃は、いつしか右から左から、上から下から打ってくる、その軌道は∞の軌道を描く、新型デンプシーロールとなっていた。

当の一歩はいつしか涙目に変わっていた。ボクシングをやめたくない気持ち、愛する気持ち、そんな気持ちが一歩を悲壮な表情に変えていた。そして一歩の連撃は意外な形での終了を迎えることになる。

鷹村である。

鷹村は一歩を抱きかかえ、会長への攻撃を中断させる。
コーナーで崩れ落ちる鴨川会長は「合格」と告げるのであった。

>すごい見ごたえがあった回です。静から動へ物語の展開が動く演出はベテランならではの貫録ですね。

それではまた