はじめの一歩 Round 1139 『狩りの時』

はじめの一歩 Round 1139 『狩りの時』のネタバレ

青木の試合、新型カエルを引っ提げて試合に臨む青木。ざわつく場内に鷹村がぼやく。
ゴングと同時に、青木が仕掛ける。新型のカエル、“ベルツノ”のお披露目である。

挑戦者は跳ねることを警戒、早速防御を固めるが、新型のカエルは一味違う。すぐには跳ねない。
変則ボクシングを是とする青木の戦術、レフェリー、観客とも何が起こるか気になって仕方がない。
それは挑戦者も同じこと、気になって仕方がない。横に縦に視線をずらして様子をうかがう。
挑戦者と同様に感情移入する鷹村。気になって近づいてしまう心情を一人吐露する。

リングでは中央にうずくまる青木とそれをうかがう試合相手、レフェリー、観客の図。鷹村は時間の問題と絶望を悟る。
レフェリーが青木のしゃがみ込みを急かす。立って戦うのがボクシング。その状態は戦闘態勢とは見なせない。
刻々と「何もしない時間」が長くなる。観客も、レフェリーも、鷹村も緊張状態が長くなる。
その静寂の空間で、最初に動いたのはレフェリーだった。

「減点?
それもそのはず、立って戦うボクシングでその態度は「戦わないこと」を意味する。
こうして新型カエルパンチは日の目を浴びる間もなく敗れ去った。

あきれる鴨川メンバーをよそに、青木の試合は正統な打ち合いへと変わっていった。
減点を食らい小細工の使えなくなった青木と、正統なボクシングの打ち合いを楽しむ挑戦者の、「まっとうな」試合にである。
挑戦者が打てば、青木が返す。パンチの応酬、当たれば当て返す。たとえ小細工がなくとも日本ランクに長いこと留まっていた青木も実力は低くはない。
その打ち合いの中で、試合相手は充実感を得る。負けたら引退と考えていたのは木村だけではなく、青木の対戦者もまた同じ答えに行きついていた。その最後に充実感を得る正攻法の打ち合いに付き合う青木に、対戦者はひそかに感謝すらしていた。

第5R、インターバル。青木の様子をうかがう篠田。カエルが封じられたとはいえ善戦する青木。全部出し切って終わらせると宣言してリング中央に向かう青木。
鴨川ジムサイドはその善戦も苦戦と認識していた。決め手のない試合になることを覚悟し始める。
そして第6、第7、第8と徐々に青木の旗色が悪くなってくる。打ち合いに負け、当てられる回数が増え、肩で息をし始めた。
ここぞとばかりに対戦者のストレートが決まる。ぐらつく青木。
動きが止まったことを好機ととらえ、踏み出す試合相手。最後の時をみとらんとばかりに目を見開く鷹村。
そして青木は目がうつろになりながらも…

よそ見をした。

釣られてよそ見をしてしまう対戦相手。ついでに鷹村もつられてしまう。
気付いた時には時すでに遅し、振り向いたそこには青木の姿はない。
当然、下にしゃがんでいる。

カエルが跳ねた。

そこからは青木の独壇場。着地と同時に連打の雨あられ、ついにはレフェリーストップ、青木のKO勝利となった。
リング上で勝利をかみしめ、伊賀との試合を心待ちにする青木を、木村はうらやましそうに眺めるのであった。

>青木の試合のはずなのに、超面白かったです。

それではまた。